アクアスキュータム スペクテイターシューズのご紹介
アクアスキュータムのスペクテイターシューズのご紹介をさせていただきます。品番は301です。
こちらは白黒コンビのフルブローグで所謂スペクテイターシューズです。スポーツ観戦時に履かれていたデザインのようです。
イギリスのコートで有名なメーカー、アクアスキュータムのOEMで日本のユニオンロイヤル社が製造していました。現在は製造されていないようです。
当時3万円台後半だったと記憶しております。
色違いのブラウンもあり迷いましたがこちらにしました。ブラウンのアッパーはイタリアのタンナーでイルチア製だったと思います。
ユニオンロイヤル製アクアスキュータム
箱から出すととても甘い香りが広がり靴ではないような感じでした。接着剤でしょうか?
とても丁寧な作りでAUG製法という前半がボロネーゼ式、後半がグッドイヤーウェルテッド製法で作られています。
履き口にもピンキング(ギザギザ)がしてあり丁寧です。メダリオンの模様も美しく日本製では珍しくシングルEです。内部のライニングに窓とよばれる品番など書いている部分がこの靴にもあります。手間暇かかっています。
使用しているシューツリー
この靴には横幅細めのコロニルのシダーウッドシューツリーを使っております。この靴はシングルEなので幅が広いシューツリーは入りません。コロニルのこの細いシューツリーしか入りませんでした。このシューツリーは靴の中敷きとの接地面がきつく当たってしまうためか、中敷きに型がついてしまいました。
丁寧に作られた靴
底材は革です。伏せ縫い(ヒドゥンチャネル式)で作られています。ヒールは少し高めでドレッシーさをあげています。
びっくりしましたが靴紐がスニーカーのようにタンの刻みに入れて下に落ちないようになっていました。機能的でいいのですが、靴紐を外したりつけたりするのがとてもやりにくいです。
いい靴は職人さんがここまで手をかけて作りましたの意味を込めて、一度履けばすぐに汚れしまう靴底をとても良く磨いて仕上げると言われていますが、この靴を初めて履くときに足を入れようとしたら少しの力でスーと前に進んでいって笑ったことを思い出します。
底材が立体的に作られていてよく磨かれている証拠だと思います。
今でもショッピングモールのような床材の場所に行くとものすごく滑ります。歩いていて転びそうになることがかなりあります。
他の人からは何やってんだあの人と思われるかもしれません。
滑ってうわっとなるたびに職人さんが丁寧に作ってくれた証拠だ。
ありがとうございます。
と、心で思うようにしております。
まとめ
驚きのプライス詰め込みまくった技術と細部のこだわり
ここまで細部にこだわって丁寧に作らていた靴が当時3万円代で購入できていたとは今ではなかなかないのではと思います。
ブラウンも買っておけばよかったと今も思います。
この靴の画像は私のツィッターのヘッダー画像にも使っており個人的に大変気に入っております。